骨董品の売込など

桂林にいる頃、仕事中にしばしば見知らぬ人から、私の携帯に電話が掛かって来ました。  相手は私が日本人だということ、私がどの様な仕事をしている人間かを知っている様でした。

話の内容は、『農作業をしていて土を掘っていたら、昔の墓に当ったためなのか、土の中から副葬品の陶器や装飾品が沢山出て来たので、これを私に買って欲しい。或いは、私が日本に帰った時に、骨董店に持ち込み売って欲しい。』というものでした。中には、直ぐに物を持参したいので、見て欲しいと言うのもありました。

土地が中国政府に所有権がある以上、地中にあった墓の副葬品の所有権も、中国政府にあるものと私は考えます。そうすると私は政府の所有物を盗んだ人から、盗品と知りつつ、購入した人間となり、犯罪に加担したことになります。                     また今の中国の法律では、70数年以上前(正確な年数は不明)の中国の文化財を政府の許可なく海外へ持ち出すことは禁止されていると聞いていました。

またその品物そのものが、偽物の可能性もあります。仮に私がその品々を購入するか、或いは預かって日本に持ち出す場合、税関で持出しが判明した場合、品物の入手経路や入手理由を聞かれます。                                     特に品物が盗品であれば、最悪、私自身が逮捕され刑務所へ入れられる可能性もあり、『君子危うきに近寄らず。』という事でしょう。全て、断りました。

ただ私も最初に中国を旅行した時、骨董品を購入し失敗しました。しかし騙されたと言う感じはありません。

昔2007年5月初め、河南省の鄭州の空港で、出発の時間待ちでブラブラしていたら、  切手帳の様な少し大きめのハンドブックに入った古銭と紙幣を展示販売していました。

その中で、紀元前の殷や周時代に近い時代だと思いますが、本当に古びた古銭に目がとまりました。

店の店員から私にも声を掛けて、積極的に販売する様子は全くありませんでしたが、この珍しいコインが入っていたことから、藍色のビニールで覆われたハンドブックを購入しました。 定価1580元から値引きを要求すると、店員が事務所へ戻り暫く待っていましたが、上司の許可を得たらしく、1100元で売ってくれました。

当時の為替レートを調査したところ、当時の年平均レートは、15.2円/元でしたので、  16000円強になります。 左ページは中国語で時代説明で、右側には、以下の様に   コインがセロテープで止めてあります。

後日桂林の仲間に見せると、鑑定することは出来ないが、おそらくコインの大半は偽物で、 信用できるとすると紙幣ぐらいと言われました。                    確かにコインは、最初の貝を除き、全てにAD✕✕✕年とかBC✕✕✕年と入っています。   放射性同位元素を使った測定を行っても、製作年を特定できないのに、どうして特定できるのか不思議です。ということは、おそらく全てのコインが偽物だと思われます。       ですから偽物の様なコインが、AD✕✕✕年とかBC✕✕✕年辺りで使われていたのでしょう。

紙幣の方も、発行年が明示されていますが、こちらは比較的歴史も新しいので、本物だと思われます。                                      7~8枚ほどの紙幣も中には、沢山の人々の間を使われ続けたためか、薄汚れ端が少し破れたものもありました。古銭はともかくとして、紙幣も全てセロテープで留められているため、剥がすことは更に紙幣を傷つけそうです。

実は現在も、私が騙されたように、本物の古銭に似せた偽物が組織的に製造・販売され、ビジネスとして成り立っているとのことでした。                      ただ私が買ったものは16000円程度なので、高価なものを買って騙されたと言う気持ちは、全くありません。 古銭は、全部で70個ほどありました。             中国人からすると、高い買い物をしたことになるのかも知れませんが・・・・・・・。

テレビの『何でも鑑定団』を見ていると、中国に旅行した折り購入した掛軸や陶磁器を出品し、古くて有名な人の作品と確信し高額な予想金額を提示し、赤恥を書く場面にしばしば出くわします。                                     掛軸で一番多いのが、中国の著名な作品のコピー印刷物です。              元々の作品は、有名な書家や水墨画家の作品を使っている訳ですが、シルク印刷等技術も上がり、中々素人には真贋の判別がつかないためだと思われます。

仲間に言わせると、観光地で売られている古い絨毯(じゅうたん)だってドブに浸けたり、車が行き来する道路に置き、轢かせて古く見せる等の小細工をしているケースもあると言っています。

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