【精進料理店】12.料理長の不正

店をオープン後、暫く店長不在のまま運営していましたが、一度断られた女性の李さんが、 店長として働きたいと言って来ました。

私も大助かりで、直ぐに店の管理を任せました。

それまでは、副店長格の崔さんに会計を頼んでいましたが、特に問題はありませんでした。 李さんが店長になって、1ヶ月を過ぎた頃、料理長がやっていることを私に教えてくれました。その内容を要約すると、次の通りでした。

(その中身の一部は、店長へ中堅の料理人からの情報もあった様です。)

①火力が弱いとの理由で燃料の購入業者を料理長の指定する業者へ変更したが、燃料の出費が大きくなり、業者からのキックバックが疑われる。

②冷凍庫に保存しているパック詰めの精進料理の材料は、手前だけ使用し、奥の物は使っていない。このため奥の物は、必然的に賞味期限切れとなり、部下に処分をさせている。    このため、業者からの購入量も増え、料理長へのキックバックは、間違いない。

③市場へ見習料理人を調味料、野菜、果物等の仕入に行かせているが、値段が倍から3倍の領収書になっている。見習料理人を問い詰めたところ、料理長の指示とのこと。差額が、料理長の懐に入っている。

④料理長は、給料日に各料理人に渡した給料から、教育費の名目で、100元とか200元とか取り上げている。(日本と違い、積極的に料理方法を教える代わりに教育費として、見習いから取上げるケースは中国ではあり得る様だ。特に料理長は、一時桂林で料理学校の先生もしていたため、授業料の感覚だったかも。)

李さんは、『不正をする人間をこのまま雇っておいても、何も良いことは無い。』

『彼を辞めさせる手段はあるから、店長の私に一任してほしい。』と言いました。

私は、店を休業にする訳にも行かないので、リョウさんと相談し人を探すので、新しい料理長の候補者が決まるまで、待って貰う様にしました。

人づてに色々あたり、Bさんと仲良しのレンさんの弟さんが料理人なので、彼を通して紹介して貰うことになりました。李さんには、こちらも準備が整ったため、李さんのやり方で、やってくれと言いました。

李さんは、22~23歳だった思います。(但し同年代の日本の女性と比べても、比較にならない程、しっかりしています。)料理長は、50歳を過ぎていましたので、日本ではあり得ない事です。

若い娘が、50過ぎの男を辞めさせる訳ですから。

彼女は、料理長を呼び『店の経営も厳しいので、来月から2500元の給料を1500元にする。 このことは、九十九さんにも了解して貰っている。』と言ったそうです。

翌日店に行くと、料理長のコウさんが、店長の発言が本当かを確認しに、私の方へ寄ってきました。すごい剣幕でしたが、私は店長と考えは全く同じと言いました。

彼は料理人を全て集め、『こんな店は直ぐに辞めてやる。ここに残る者はいるのか?』と他の5人の料理人に聞きました。

すると料理長の圧力を肌で感じてか、口々に『こんな店直ぐにでも辞めてやる』と言い始めました。私としては、料理長の首のすげ替えだけを考えていたのですが、料理人全員が辞めてしまう事態になりました。

店長に情報を流してくれた中堅の料理人には残って欲しいと思い、引き留めましたが、彼は、『彼(ソウさん)は桂林でも名が通っている料理人の為、彼に逆らうと将来自分が職を得る上でも邪魔される恐れがある。みんなそれが怖い。』と言い、本人は、残りたいけど辞めざるを得ない結果となりました。

早速、30歳代後半の新しい料理長となる長さんへこの話をしたところ、彼は『私の力で料理人は集めるから、心配はしないで欲しい。』『ただし、料理人への給料は、私が各人へ配るので、全額私に渡してほしい。』という事を条件に出され、私も彼に全て一任する事にしました。

店長と新しい料理長との関係も良好で、食器洗いや店の掃除のため、以前揉めたB村の人を雇いました。

店長は、この人を通じて、B村の人々から直接購入して、野菜や果物を安価にかつピンハネが無い様な形にしました。

ところが辞めた料理長のコウさんは、首にされ自分の面子を失ったこともあり、行く先々で私の店の悪口を言って廻っただけではなく、常連客に対しても電話を掛けて店の悪口を触れて回ったため、店の売上にも大きく影響しました。

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