中国の観光業 

中国の観光業について、全容を知る由もありませんが、中国人が行く国内観光地、日本人が訪れる観光地、韓国人が訪れる観光地は、敢えて中国の旅行業者が、全く異なる様にしているのではないかと、感じる節があります。

①まず日本やヨーロッパからの団体観光客は、

旅行目的に合致した世界的に有名な観光地に連れて行かれます。                                  短期間に広い中国を移動する訳ですから、兵馬俑、九寨溝、漓江、万里の長城等取敢えず世界的に有名な観光地を見て回ります。                          しかし観光コースに設定された所の中には、入場料が日本円に換算し8000円/人程もする所もあり、驚く程の入場料の高さです。(個人旅行ではなく、団体旅行であれば都度個人が支払わないことや団体割引から、料金が高いことが分かり難いのですが・・・。)

有名な観光地の入場料の大半は、地方政府の収入となるため、外国からの観光客からの収入は、外貨獲得の大きな手段でもあります。

また外国人の場合、例え個人旅行であってもパスポートの提出を求められ、五つ星とか四つ星の三ツ星以上の高い料金のホテルにしか泊まることが出来ない様になっていましたが、中国政府がこの方針を今も継続しているかどうか、定かではありません。

【 余談ですが、桂林から陽朔まで漓江下りのため、100~200名程度乗れる国内観光客相手の船に乗船したことがあります。(知人の中国人ガイドと2人一緒に乗船しましたが、乗船不可の外国人がいると分ると問題が大きくなるため、日本語では絶対に話しかけない様に強く言われました。)

(漓江の周囲は、ラクダの瘤の様な、水墨画に出て来る様な風景が至る所に見えます。)

外国人観光客の乗船場所は桂林の中心に近い所でしたが、国内観光客の乗船場所は桂林の郊外で、陽朔での降船場所も違っていました。                       要するに、国内観光客の方が乗船時間も数時間多く、船賃も非常に安価でした。      船の中で販売している食べ物も、値段も異なります。                  ただ私自身乗船して、同じ様な風景が繰り返し出て来るため、短い時間で、広い中国全土を駆け回って旅行する日本人客には、現状程度の乗船が良いのかも知れません。        しかしオプショナルツアーとしての外国人観光客相手の数時間の漓江下りの費用はガイドの費用も入るのでしょうが、労働者の1ヶ月の賃金の半分かそれ以上にもなり、桂林の物価からすると余りに高すぎます。

同じ観光地における異なった料金設定は、日本ではあり得ない話ですが、「儲けられるところから奪う。(「取る。」と言うのは穏やか過ぎる)」と言う中国人の発想からしたら、当たり前の事かも知れません。                                似た様な事実として、有料の観光施設では、外国人観光客の入場口とは別に少し離れた所に、国内観光客専用の入場口を作り、安い入場券を販売するケースもしばしば見られます。

成都でも、パンダの飼育センターが日本人観光客の訪問先にもなっていますが、ここでは交渉によって赤ちゃんパンダを手で抱くことが可能です。                  飼育センターの人のアルバイト収入にもなる様で、250元から500元でガイドとセンター員との間で交渉が成立していますが、これを悪いガイドは、2000元(30000円~32000円)とか2500元もの金額を金がある日本人観光客にふっかけ、差額を自分のポケットに入れるケースも多い様です。

ただ日本では上野動物園のパンダを檻から離れて見る事しか出来ませんが、ここの飼育センターでは直接抱き上げることが出来るため、金額の高い安いの感覚は飛んでしまう様で、自慢話にもなることから、人が出来ないことを経験した満足感に満ち溢れています。       そこが、悪いガイドにつけ入られ、法外な金額を支払わせられます。】

②これに対し韓国の観光客には、

既に世界的に有名な観光地を廻った人も多い為なのか ?、旅行費用を安くするためか ?、同じ観光地で朝鮮人と日本人が出遭い、喧嘩やもめ事が起こることを危惧してか ?、       もう1ランク下の観光地を見て廻っているケースが多いようです。

このため、日本人と朝鮮人が同じ観光地で出会うケースは少ないと思われます。

ただ中国は、国際的に有名ではなくとも、桂林の『桃源郷』の様に、ランクが下でも非常に楽しく、風光明媚な観光地も沢山あります。ここは、私も行きましたが、非常にリラックスして見学が出来ました。

(桂林郊外の世外桃源)

自貢の鹽井等、私が成都の料理店で写真を見なかったなら、中国人観光客でもない限り、団体旅行として連れて行って貰う可能性は、殆んど無かったと思われます。

➂更に中国人の団体観光について書きます。

このブログ『中国桂林生活』で書きました『熊虎牧場』の話、成都郊外で発生した巨大地震直後の見学ツアー(壊れた建物等他人の不幸を見て楽しむ風情も感じられる。)等、日本では信じられないツアーが沢山ある様です。                          6月26日ネツトで『地下核施設が観光に』というタイトルの記事を見つけましたので、参考迄に掲載いたします。https://www.cnn.co.jp/photo/35092280.html?tag=mcol;topPhotos

私が『静慮荘』の店を開いた近くに『劉三姐(リュウサンジェ)』の観光地があり、店長の知人がそこで働いていたため無料で入れると言うこともあり、店を早く閉めて、皆んなで夜9時過ぎに出かけたことがありました。                           この観光地は桂林でも非常に有名で、毎日延べ100台近くの観光バスが来ますが、外国人は入場出来ない様です。

私も是非入って見たいと思っていました。夜10時には、閉館となるとのことで、1時間弱の見学でしたが、入って見てこれが観光地なのかと、改めて驚きました。

入って直ぐ、少数民族の服を着た10代後半の若い女の子たちが、あちこちで迎えてくれました。 最初に見たのは、若い女の子と大勢の観光客とが、子供のかくれんぼの様なことをして遊んでいました。それから別のコーナーでは、フォークダンスの様に、皆が音楽に合わせて踊っていました。                                   更にまた別のコーナーでは、多分お金を賭けるのだと思いますが、大声をあげて闘鶏に夢中の観光客等で、これが入場料を取る観光地なのかと奇異に感じました。

敷地の広さはかなりある様なのですが、夜10時の閉館時間も近いことから、遠方から消灯してきており、先に行く事を止めました。                         私の想像ですが、色々なコーナーがあり、観光客が好きなコーナーに参加して遊ぶと言う事だったのかも知れません。こんな状況ですから、入場料自体は、安いのかも知れません。

私が桂林で働いていた五里店(場所の名前)近くには、幾つも漢方薬の工場がありました。  これらの工場の門の脇には、道路に沿っていつも観光バスが沢山駐車していました。    工場見学と漢方薬販売をセットにしたもので、旅行会社の方は、出費よりむしろ販売でのキックバックによる収入増となるため、積極的に立ち寄っていました。            桂林には、漢方薬の原料となる素材だけを売っている市場もあり、桂林の漢方薬は中国国内でも非常に有名なので、敢えて工場に立ち寄ってもお客からのクレームは無いと思われます。

他の例としては、天然ゴムの産地に近い桂林には有名なコンドーム工場がある様で、日本製品に負けない程の薄くて丈夫な製品がつくられているそうですから、こちらにもバスツアーのコースとしていた様です。

観光客は、製品説明を受け工場見学をした後、1人っ子政策の影響もあり、製品をまとめ買いさせられていたものと思われます。しかし桂林旅行の手土産として、コンドームを沢山持ち帰っても、旅行の思い出にはならないのは明らかなのですが・・・・・。

昔、私も小学生の頃、社会科の授業の一環として醤油工場を見学し、小さな醤油ビンを無料で貰った思い出がありますが、こちらでは工場見学と工場の製品販売とを結び付け、観光客を  上手く利用している状況です。

国内ツアーを募集する際、料金が安いツアーを企画しないと中々お客が集まらないという事もあるのでしょうが、旅行会社・ガイドと観光客のトラブルがしばしばニュースになる様です。

本来の有名な観光地は入場料がかかる為、『熊虎牧場』や『劉三姐(リュウサンジェ)』等の様に入場料が安いと思われる観光地や、漢方薬の工場見学の様に入場料が不要な商品販売を目的とする工場見学、真珠会館での養殖説明と商品販売、その他土産物店入店、オプショナルツアーの勧誘等、観光会社・ガイド側は、何とか赤字を出さないで利益を上げようと必死です。

(日本とは大幅に異なり、例えば北京の旅行会社が企画し北京で募集した旅行で、桂林に関係する部分は桂林の観光会社やガイドが、北京の旅行会社の仕事を部分下請けとして赤字受注し、運営するシステムです。ですから北京の旅行会社からの入金迄の時間差もあり、手元のお金も必要となりますが、ガイド自体が経営者として、ホテル予約、バスのレンタル手配、運転手の手配、観光地の入場料の交渉等を行うこともあります。ただ北京と桂林間の飛行機代は、北京の旅行会社が費用負担するものと思われます。)

しかしお客が品物を買わない上に、オプショナルツアーも求めないと、旅行会社・ガイド側は大赤字となるため、いろんな各地のトラブルがニュースで報じられます。

オプショナルツアーに参加しなかった人や、土産物店で品物を買わなかったお客を口汚く詰(なじ)ったり、またお客全体の買い物が少ない場合、ガイドが観光地の説明を止めるケースもある様です。

キックバックを多くするため土産物店への出入り回数を増やすことや、規定より食事回数を減らすのはまだ良い方で、ひどい場合、お客を観光地で降ろした後、バスと共にガイドがいなくなり、お客が宿泊する場所を確保できなかった等のトラブルが、あちこちの観光地で発生しました。

中央政府も重い腰を上げ、法律を作り対策に乗り出しだしましたが、『中央に政策あれば、地方に施策あり。』の国なので、いたちごっこの感は免れません。

雲南省の位置

成都から桂林に戻り、日本に帰る前に『石林』で有名な雲南省(地図の赤い色)の『昆明』と、古都の雰囲気が漂う『麗江』に行きたいので、知人のガイドさんに案内してくれと頼んだことがありました。                                   しかし自分が昆明の地元のガイドで無いため、日本人の私の身に何かあった場合、万一の対応が出来ないからと断られました。                           当時日中関係も尖閣列島の問題でぎくしゃくしており、仲間からも、危険を伴うので止めた方が良いと言われ、断念しました。

以上の3枚は、麗江の写真です。麗江については、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%97%E6%B1%9F%E5%B8%82 を御覧下さい。

以上の2枚は、石林の写真です。石琳については、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E6%9E%97%E3%82%A4%E6%97%8F%E8%87%AA%E6%B2%BB%E7%9C%8C を御覧下さい。

以上の4枚が、香格里拉(シャングリラ)の写真です。

シャングリラについては、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%A9%E5%B8%82 を御覧下さい。

写真の麗江も、石林も、シャングリラも、行かなかったため、写真の掲載に留めます。   いづれも高地にあり、朝晩は寒そうですが、空気が澄んだ感じがします。

私が成都の会社を辞めた後、リョウさんが成都の会社の社長命令で雲南省の香格里拉(シャングリラ)に国内観光客相手の土産物店を出店する準備で出かけたそうです。          雲南省は、隣の貴州省と共に、中国でも所得水準が一番低い省ですが、更に生活が貧しいミャンマーやラオスに接しており、南からのいろんな禁輸品が入って来ている様です。

彼の話では、公衆トイレの壁に、「拳銃売ります。」とか「アヘン売ります。」とか電話番号と共に書かれた紙が貼ってあったそうです。                      ですからこの様な所に、私が個人旅行するには、治安が悪い土地だと認識したうえで、旅行すべきかも知れません。

その為には、地元に精通したガイドを雇って旅行しないといけないことを再認識しました。

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