【黄さんのビジネスと周囲の人々】5.UCCの友達

黄さんから、『私の友達と一緒に飲みませんか?』と声が掛かりました。

夏の夕方、彼の友達の母親がやっている屋台に、黄さんが連れて行って呉れました。    屋台と言っても、日本の屋台のイメージとはちょっと違います。             本来の飲食店としての店も構えていますが、店の中は狭い上に暑いので、風の通りが良い店の前の歩道部分に、席を沢山作っています。                       外ですから、雨に備えてテントやパラソルを張るケースもありますが、その日は天気も良いので、何も無しでした。

座る席の有り様は、実際の写真が無いので、推測してください。             テーブルは、昭和30年代中頃まで日本の一般家庭でも使用された畳の上の卓袱台(ちゃぶだい)に似たものです。円形と正方形の形があり、木で雑な作りでテーブルの足は、折りたたむことが出来ます。                                    椅子は、風呂などで湯船から上がって体を洗う時に使う風呂椅子を多少大きくした程度のもので、プラスチックと木製があります。                         ですから体重がありそうな人には、掛けにくい椅子です。                1テーブルに4人掛けですが、何となくこじんまりとしており、桂林の人は痩せた人が多いので、この程度で用が足りているのかも知れません。

隣の店も、またその隣の店も、同じように歩道部分に沢山の席を作っていますが、夜8時前後になると、どこもお客で溢れ、酒も入り大声の為、お互いの話し声が聞きづらくなります。 車道を挟んである2つの歩道の道幅は、片方だけで8~10m程度の所も多く、店内で飲食する人より、店外で飲食する人が多い様です。

黄さんの友人は、UCC(上島コーヒー)の一つの店の店長をしているとのことでした。UCCのコーヒー店は、桂林にも何店舗もあるのでしょう。                    私は、桂林でも一番大きいと思われる南城百貨(スーパーと専門店が混在した大きな建物)の近くにあるUCCの店には、食事やコーヒーを飲みに良く出かけました。

桂林や成都にあるどの喫茶店も、昼間からカーテンを閉じて日光を遮り室内の照明も薄暗く、ソファーの背も高めで、開放感はありません。

ただ私の良く通ったUCCの喫茶店は、薄暗さはあるものの、天井も高くフロアーも500坪前後あるのだと思いますが広い上に、洋酒コーナーで飲んだり、グランドピアノ演奏を聞いたりでき、少し大人の雰囲気を醸し出していました。                    個室もいくつか用意されているためか、アベック以外に、ビジネスの打合せでの来店も散見され、全般的に衛生的で食事も安心して食べることが出来ます。              出されたコーヒーも紅茶も味も問題は無かったのですが、コーヒーや紅茶の値段が、食事並みに高いのが癪(しゃく)に障ります。

中国人は元来、洋風食事や洋風の飲み物にあこがれがある様です。

店舗仕様や接客方法が統一され、全く日本の店と変わらないマクドナルドも、KFCも、材料がその地域で生産される食材を使っているためか、日本より味が非常に落ちます。美味しくありません。

また値段だけは、中国人の生活レベルからすると高すぎる値段を付けていますが、店はどこも子供連れで一杯です。1人っ子が多いので、子供の我儘を満たしつつ、一方で見栄もあり、連れてきているのかも知れません。

話が逸れてしまいましたが、最初はUCCと言うから、日本の上島コーヒーと同じ系列かと思ったのですが、面倒なことに、こちらのUCCは台湾資本系列の上島コーヒーとのことで、違った様です。       コーヒーは日本語だと『珈琲』と書きますが、中国語では『咖啡』と書きます。

黄さんの友達は、桂林で上島咖啡の店舗を3店ほど有する経営者の下で働く、20歳代の男性でした。(台湾資本の上島コーヒーは、中国本土でフランチャイズ制を敷いている様です。)

彼はそのうちの1店の店長として働いており、当時1000元程度が平均的な給料だったのに、3500元貰っていました。                           彼は母親と共に生まれ故郷の湖南省に戻り、同じような喫茶店を経営するのが、彼の夢とのことでした。折角なので、飲食後に彼の店に行くことになりました。

建物の外看板の文字UCC上島咖啡が大きく目立つものの、2階にある店自体は、数十坪ほどの広さで、他の喫茶店と余り変わらない様に感じました。                 その店での売上額も聞きましたが、今は忘れてしまいました。彼の給料は、他の人と比較して3倍以上も多いので、かなりの売上を上げていたと思います。

彼の身長は170cm前後でしたが、非常に痩せていたのが気になりました。彼の話では、生活費の節約と仕事の効率化を図るため、その店のソファーで毎晩寝起きしているとのことでした。これに労働時間の多さも加わり、疲労が蓄積しているのではないかと思われ、私にはもう一つ健康的な人には見えませんでした。

彼の話で印象的だったのは、彼は経営者の命令を受け25歳になった女性のウェイトレスは、必ず首を切るということでした。

中には家族を養っていた人もいて、泣いて働かせて欲しいと言う人もいたらしいのですが、 若い女性の方が男性客のリピート率も高く売上に貢献する為、店としてはその方針を貫いていた様です。                                     私には25歳だって十分に若いと思うのですが、若いか若くないか、これが経営者自身の個人的な判断なのか、桂林男性の一般的な認識なのか、良く分かりません。           それにお客は、男性だけではなく、女性ばかりとか、家族で来店することもあります。

また新規に採用する場合も、若くて綺麗な女性を選別して採用していたとのことで、当時の喫茶店ウェイトレスの採用は希望者も多く、比較的楽だった様でした。

いずれにしても、日本ではあり得ない経営手法ですが、それなりに店としての売上増に寄与していることは、認めざるを得ないのかも知れません。

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