自貢(ズーゴン)への誘(いざな)い (3)

自貢に着いて、kさんとMさんと最初に向かったのは、恐竜博物館でした。         自貢市は中国で最も恐竜の化石が発掘される地で、この博物館では、当地で発掘されたジュラ紀(今から2億年前から1.5億年前)の恐竜化石を中心に、展示していました。        この博物館は、現在世界三大恐竜博物館(他にカナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館、福井県立恐竜博物館)の一つに数えられるそうです。

Kさんは、今までにこの博物館の日本人学芸員に会ったことは無く、日本人学芸員がいることを噂として聞いていた様です。

入口で日本人の学芸員を呼んでもらうと、運よく館内にいたため、入口まで来てくれました。3人とも同じ中国で生活していることから、親しみもあったのでしょう。         入場料も無しに博物館の中を説明しながら、案内してくれました。            ただ残念なことに、私自身メモを取っていなかったものですから、その人の名前も恐竜の説明された内容について、殆んど忘れてしまいました。

ですから、ウィッキ―ペディアでの記述を抜粋しますと、

【1階は「恐竜世界」と「恐竜遺址」。「恐竜世界」は恐竜化石の生態陳列となっている。 18種類の各種の恐竜(巴山首竜・太白華陽竜・自貢四川竜・四川巨棘竜・李氏蜀竜など)が展示され、すべてが自貢市で発掘されている。「恐竜遺址」は恐竜化石埋蔵現場をそのまま保存展示しており、面積は1.5Km2と世界最大規模の埋蔵現場。数千の化石が埋蔵されている。

2階は「恐竜時代的動植物」と「恐竜珍品」。「恐竜時代的動植物」は陸上・水中・空中・植物などの展示に分かれて、ここには自貢市以外の中国各地の化石も展示されて、恐竜の生態を示している。「恐竜珍品」では自貢市で発掘された恐竜化石の貴重品10数点が展示されている。】と書かれています。

この学芸員の人の経歴について、私の覚えている範囲で書きます。            この人は、早稲田大学の文科系の学部を卒業後に、恐竜のことを勉強する為中国の華北地方の大学(吉林大学?   ハルビン大学?)に留学したそうです。卒業後すぐに福井県立恐竜博物館への就職を希望したそうですが、空きが無いことと、大学教授の世話もあり、自貢恐竜博物館の学芸員として働くことになったそうです。                        私たち3人が自貢に行ったのは11月でしたが、自貢博物館での学芸員としての実績を基に、来年の春には福井県立恐竜博物館に就職が決まっているとの話でした。           ですから研究者としての実績を積んだ彼は、今は福井県立恐竜博物館の研究員として働いているはずです。(同博物館に興味をお持ちの方は、https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/を御覧ください。)

博物館に入って直ぐに、大きな恐竜の骨の化石を組み建てたものが展示されています。左端の人間の写真からして、如何に大きい骨格であるかは、判断できるかと思います。

恐竜の骨が化石化したものがあちこち、見られます。博物館の敷地内で見つかったので、そのまま天井や壁工事を施し、見学のコースに加えられたとのことです。

この博物館の敷地だけではなく、自貢では、ホテルやビルの新築工事を行う際、あちこちでこの程度の化石が見つかるそうです。                          土が粘土質なので、恐竜が生活していた頃、この自貢の地は、大きな川沿い或いは川の中だったと思われます。それにしても、恐竜の骨の化石が多いのには、驚かされます。

写真が完全でないため、今となっては、何処の部分の骨の化石なのか分かりませんが、この様に小さな化石が博物館で販売されていました。4000元だと、日本円で6万円程度になります。化石が少しオパールの様な色合いになっていますが、これは燐灰石(アパタイト)が時間をかけ、圧力や温度等で他の石に変性されると生成される様です。

博物館を出た後、宿泊先を決めていないこともあり、ホテルを探しました。        ホテルのフロントにある表示価格は価格として、交渉する事にしました。         すると1室800元近くしたものが400元程で、2人宿泊する事が出来ました。        1室は2つのシングルベッドですので、決して高くはありませんし、室内も非常に綺麗でした。これは観光地として格別有名な所では無く、また他に空き室もあったという事も、安くして貰えた理由かも知れません。

話が少し逸れますが、中国のホテルは、ベッドの数に関わらず、1室幾らという宿泊金額を取ります。ですから、一人で泊っても二人で泊っても、宿泊料は同じです。(多くは、1室に2ベッドが置かれている。)日本の旅行会社は、日本人観光客がこのことを知らないことを良いことに、日本のホテルと同様に一人幾らで宿泊料を請求するので、中国では1室の料金分をそのまま旅行会社の利益にしていることになります。

取敢えず運転手のチンさんと私は、夜の宿泊施設を確保出来たので、女性の引田天功に似たMさんとKさんの案内で、4人で夜の食事に出かけました。                                   Kさんは、折角自貢に来たからと、ウサギの肉を専門に料理してくれる店に案内してくれました。ウサギの料理も色々メニューがありましたが、ウサギの肉のシャブシヤブを食べました。ただ鍋の中は、透明ではなく、四川なのでつゆと油の中に唐辛子をすり潰したオレンジ色のタレを溶かしているため、辛さは格別です。                          ウサギの肉は、鶏の肉に似て多少白っぽいのですが、一番の特徴はウサギそのものが小さいこともあり、肉はどれも木材のチップの様な大きさでした。他にウサギの肉を使用したチャーハンを食べました。                                  私自身、ウサギの肉を食べたのは初めてでしたが、柔らかさはあるものの鶏肉と変わらないと感じました。

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