【精進料理店】6.工事のやり直し

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新しく料理長になったコウさんが、改築工事現場を見て、『調理室が狭すぎる。出来上がった料理を分配するための皿も置けない。』と言い出しました。

私とリヨウさんとでこれだけの面積を確保すれば十分だろうと考えレイアウトを決めましたが、給水管工事や排煙ダクト工事もほぼ終わった時点で言われ、大変ショックでした。

しかし、料理が作れないと言われると仕方がありません。

全面的に料理長の意見を取り入れ、新しく作った壁を取壊し、工事をやり直しました。

ベタ打ちのコンクリにドレン(排水溝)をつけましたが、これを更に傾斜を持たせ、グレーチングを付けて水はけを良くしました。

また料理人の足場についても、コウさんの指示で、木製のスノコを置いて、水で足を滑りにくくしました。

席についたお客からも料理人の調理している姿が見え、衛生的に調理していることを知って貰うためと、ガラス張りの方が、料理が出来上がる迄のお客の退屈しのぎになることも考え、腰から上を全て透明ガラスにして見通しを良くしました。

料理長は反対でしたが、これは料理の出来栄えに無関係の為、私の意見を押し通しました。

私が日中不在のことも多く、本業が終わった後5時過ぎに工事現場に出向くのですが、細かな点でやり直しが幾つも出て来ました。日本人と中国人の考え方、それぞれの常識に対する考え方の違いに由来する部分もあるのかも知れません。

トイレの施工は、リョウさんと左官屋との間で話し合い、桂林では普通にある足を開きしゃがんで用をたす水洗タイプのトイレを2個(男女別々)設置していました。また男性用の小便器は、大便器だけだと周囲が汚れるので、予めの打合せ通り3個設置済みでした。

私は、大便器2個を全て便座タイプに取り換えるつもりで、リョウさんと衛生器具の販売店に出向き購入すると共に、トイレの壁用として明るい化粧タイルを、更にトイレ入口、男女の区画トイレ入口用として、化粧ドアを3つ購入しました。

日本ではごく当たり前ですが、鏡を置いた化粧洗面台に加え、ダウンライトも付けましたので、飲食店としては、桂林でも綺麗なトイレになったと思います。

しかし水配管をお寺の本管から分岐し、かなり配管を延長しているため便器の水流が弱く、このままでは調理にも大きな影響を及ぼすことが判明しました。

そこで2階の屋根上にかなり大きな貯水タンク3個と水を汲みあげるモーターポンプを置き、ここから調理用も含め、水を供給することとしました。これでトイレの水圧も高くなり、問題を解決することが出来ました。

お客が座るテーブル席の壁は、お客が落ち着いて食事できることを考え、明るい橙色に統一しました。

個室は敢えて作りませんでした。

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