ヒマラヤ高地の

ヒマラヤ高地の懐(ふところ)深く、
人知れず幻の花と口ずさまれ、
厳しき自然に在ることを、遥か彼方に忘れさす。
それは貴女(あなた)の心、可憐な花。
セルリアンブルーの大地の花。

あの澄み切った無限の青空に、
怯(ひる)むこと無く、
小さいながらも思いっきり、
負けてはいないと自己主張。

微笑(ほほえ)み残して去りゆけど、
優しさ、思いやり、爽やかさ。
貴女(あなた)と出会った人は皆
貴女の余韻を感じ取る。

ヒマラヤ高地の懐深く、
永久(とわ)に、永久(とわ)に、安らかなれ。
セルリアンブルーの大地の花。

(平成⒓年/2000年)

私の友人、白血病や染色体異常などの血液を原因とする病気の研究に、一生を捧げた篠原多美子さん、享年六十八歳を偲んで書いたもの。                                                                   小宮 悦造博士と彼女の共著である『血液標本鏡検の手引』は、医学を志す多くの学生の必読書となった様です。
セルリアンブルーの大地の花は、メコノプシス・ホリドゥラ(天上の妖精、まぼろしの「青いケシ」と呼ばれている)と言う植物で、ヒマラヤでも標高4000mを超えた地域にしか生えない。ただ花の風合いから「青いケシ」とは呼ばれるものの、メコノシプス属の植物は、ケシ属ではないため、麻薬成分は採取出来ない。

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