ひまわりよ

沈黙と言う、心の雄弁さから逃れる様に、

ポツリとひと言、

『疲れた。』と、言った。

お前の目は、孤独と悲しみに潤(うる)み、

項垂(うなだ)れて、

乾き切って土ぼこり立つ、

荒涼とした地上に、泪を落した。

ひまわり(向日葵)よ

お前は終日、太陽に立ち向かう花だろう。

蒼天の中のひまわりよ、

お前は気高くあれ。

項垂(うなだ)れて泪を流す姿は、お前には相応(ふさわ)しくない。

風が吹きすさぶ中にあっても、

雨足が激しく叩く中にあっても、

お前は頑として、地上に目を落とすことは無かった。

堂々たる姿は、地上の花の王者、そのものだ。

ゴッホだって、お前の燃え上がる姿を、

たった1%も表現出来なかった。

ひまわり(向日葵)よ

今一度、思い出しておくれ。

お前の、雄々(おお)しく立ち上がる姿を  !

怯(ひる)むことなく、太陽に立ち向かう姿を !      (昭和47年)

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