(子供) この広い緑の草原の中で、
なぜ、ここに石があるの。
(日本だと小学校の低学年位の子供が、手のひらに小石を取って、アインシュタイン博士に見せた。)
(アイン) それはね。
この石にとって、ここが一番居心地が良いからなんだよ。
(子供) 僕も、おじさんも、石と同じだね。
ノーベル物理学賞を受賞したあの有名なアインシュタイン博士が、晩年に中国旅行をした際、
訪れた足の膝まで伸びた雑草の大草原を目の前に、現地で知り合った子供からの質問に対する
回答です。
私は、他愛もない子供とのやり取りの中に、多くの示唆に富んだものを感じざるを得ません。
人生の終末を迎えようとしていた博士は、多忙であったにも関らず、中国のこの地迄わざわざ
出かけて行ったのです。
名声とか、名誉とか、他人からの世俗的な評価を離れ、私も居心地が良いこの地迄来た。
ひとり静かに、歩んできた道を思い出していたのかも知れません。
(平成13年/2001年)
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