Oさんが体験した強盗事件

アメリカ在住のOさんから以前聞いていた話を思い出しましたので、ここに書きたいと思い   ます。
その内容は、Oさんが現在住んでいるサンフランシスコではなく、その前に長らく住んでいたフロリダ州マイアミでの強盗に遭った話でした。

時期は彼が43歳の時、1981年(昭和56年)3月28日だった様です。
彼の話では、同じ年の2日後にレーガン大統領が暴漢に撃たれ病院で弾を摘出する手術が行 われたため、記憶に良く残っているとの事でした。(私の方で、レーガン大統領暗殺未遂事件 を検索し、これを参考に年月日を加筆しました。)

当時はキューバのフィデル・カストロ首相が共産主義の基盤を構築した頃でした。                具体的には、カストロ首相の反対派を殺害したり、国外に追放したり、経済的には米系企業の接収と国有化に加え、個人所有土地の国有化等も行いました。
これにより、カストロ体制を嫌う人々や突然資産や職場を失った多くのキューバ人が、距離的に一番近いアメリカのフロリダ州に、着の身着のまま船で大挙押し寄せて来て、治安が突然悪化したという時代背景があった様です。

夕方薄暗くなってマイアミの自宅から散歩に出ていたら、突然二人の体格が良い男(一人はナイフを所持)が現われ、金銭を脅し取ろうとしたそうです。
O氏がナイフを所持していた一人を柔道で投げ飛ばしたら、もう一人の男が1.5mの至近距離から拳銃を発砲したそうです。(二人は発砲後、直ぐに逃走)

その時彼自身、非常な緊張状態の中に居たためかと思いますが、全く発砲による傷みを感じなかったそうです。
シャツの一部に穴が開いていたものの、血は全く出ていなかったそうです。        発砲音を聞きつけて集まった人々に、背中を見て貰ったら前面と同じ様にシャツの一部に穴が開いていたものの、血は全く出ていなく傷みも無かったため、そのまま自宅に戻ろうとしたそうです。
そうしたら集まった人の中には、『血は全く出ていないが、内出血している恐れがあるので、救急車で病院に行った方が良い。』と言う人が居たそうです。

そこで救急車を呼び病院で診て貰ったところ、肺の中で内出血していたため、肺にチューブをつないで血を吸引し、体外に出したという事でした。
銃弾は心臓を3cmあまり外して、右肺の上部を突き抜けていたとのことでした。      非常に運が良かった訳ですが、もし心臓を貫通乃至損傷していたら、生命の危機を伴う大惨事になっていたかも知れません。

Oさんは、日本ではあり得ない体験をされた訳ですが、体を銃弾が前から後ろに貫通したのに、血が一滴も出ないことが本当にあるのかと、その話を聞いた時は信じられませんでした。

またアメリカの様に、今でもメキシコからの不法入国が盛んな国では、生活困窮が原因で窃盗や強盗等の事件が起きることが多く、改めて日本と同程度の治安を保つことの困難さが感じられます。

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