大木のモーニュメント

桂林の中心街から車で、20~30分程行ったところに、窑(ワヨウ)という所があります。 ここには無数の店が軒を構えており、国内及び海外観光客相手の桂林の土産物店の多くが、商品の仕入で買付に来ています。

絵画、掛軸、書、硯、宝石、陶磁器、骨董品等食品以外の品物の殆どを仕入れることが可能です。しかし、観光客がここを訪れて商品を購入することは出来るでしょうが、広州の宝石店街での購入でも書いた通り、人脈の無い初対面の人が安く品物を購入することは、難しいと思われます。

この窑(ワヨウ)から徒歩で20分ほど行ったところ、私はここの場所の名前は知りませんが、この付近の道路は、赤土が露出し凸凹が多い無舗装の道路です。このため雨の都度大きな水溜りができ、トラックの水跳ねで、歩くのもままならない田舎道そのものです。

ただ幅15mを超える無舗装道路の片側には、写真の様な、枯れた大木の根や幹を組み合わせ塗装・彫刻を施し、ビックリするほど大きなモーニメントを製作し販売しています。              値段は聞きませんでしたが、少なくとも数百万円はすると思われますし、中には1000万円を超えるものもあるかも知れません。

私は現地で2回写真の撮影を試みたことはありましたが、モーニュメントが大き過ぎる上に 薄暗く、屋根が高い店内に商品として沢山詰めて置いてあり、距離を十分に保ってモーニュメント全体を撮影するのも困難でした。そこで今回は、単体としてネットで見つけた物がありましたので、私が実際に見たものに近い物をここに載せます。

私が実際に現地で見たものは、象、虎、ライオン、牛等などで精悍な姿の動物が多かったのですが、恐らく新築の大型ビルの階高も高く広々とした1階エントランス付近に置くものとして、購入されるのだと思われます。                          写真の端に写っている人から、各々のモーニュメントが如何に大きいものであるかは、理解して頂けるかと思います。

中には下の様に、布袋(ほてい)と思われる柔和な表情の坊さんの作品もありました。

実は桂林は年間でも雨季と乾季がはっきりしており、雨期は集中豪雨の様に大雨が降るため、土地の栄養分の殆どが漓江に流れだします。このため、大半の木々も非常に痩せこけており、殆んど幹が細い上に曲がりが多く、とても建築資材には向きません。

日本だと沖縄等の南の島で良く見かけるガジュマルが、桂林では金木犀の木と同じく、道路の街路樹として多く見られます。ガジュマルの木は、まっすぐに成長する杉やヒノキとは異なり、幹が曲がりくねると共に、幹や太い枝から沢山の毛根を伸ばし、不規則に成長します。

ですから、ここで製作しているモニュメントの材料は、中国の南の地方やベトナム、タイ、 カンボジア、或いはミャンマー辺りから、トラックで古木を運んでくるものかも知れません。

これらの古木は、モーニュメント製作のためわざわざ伐採したものではなく、枯れ木の根や枯れ木の幹を掘り起こしたものだと思われますが、木の大きさからして、数百年は経っていると思われます。 日本の屋久杉クラスの大きな木々がゴロゴロ沢山あり、これを材料にして来たと思われますが、屋久杉と同様に何れは材料不足で製作を止めざるを得ない時代も来るでしょう。

出来上がったモーニュメントの中には、日本の平屋以上の軒高があるものも多く、運んできた古木を単独のみならず組み合わせ製作したものも多いと思います。            しかし中々良く出来ていて、私が近寄って見ても何処で接合しているのか、分かりませんでした。                                        また出来上がったモーニュメントは、購入した業者或いは顧客のもとに運ぶ場合、輸送に困り、解体して運ぶことも多いと思われます。大きさと重量、それから特別な養生等からして、輸送費もかなりの費用が発生するものと思われます。(仮に日本まで運ぶとすると、運賃だけでも数百万円の費用が発生するでしょう。)

序(ついで)ですが、トラツク輸送について私が経験したことについて、少し書き加えます。

日本と比べ中国では、輸送の積載量に対する(交通)警察の監視が非常に甘い様です。    国が大きいこともあり、長距離輸送は一度に運ぶ量によって、運送費用や輸送日数が大きく変わる為でしょう。   大きなトラックであるにもかかわらず、過多積載が目立ちます。

一度飛行機の到着が遅れ、深夜に河南省の省都である鄭州市(ゼンゾウ ス)の空港に着き、 空港で出迎えを受けた時の事です。                          車で高速道路に入る為、料金徴収所で列を作り待っていましたが、私の乗った乗用車の右も左も長距離の大型トラックが列を作っていました。

深夜で高速道路の薄暗い外灯だけだったためハツキリ確認できませんでしたが、左右のどちらも荷物の積載量が多く、私の乗った車は、言わば2つの大きなビルの間に挟まれた感じで、 荷崩れしたら車が潰されそうで、不安を感じたことがありました。            日本と比べ道路幅も広いことから、日本では見られないほど、大きいトラックを見かけます。新車を運ぶトレラーは、2階建にして10~15台も載せて運送しているケースも見られました。道路幅が広い為、曲がり角でも何とかカーブが切れる状態でした。

面倒な為なのか、荷物を満載しているにもかかわらず、荷物を落とさないためロープを張ったりベニア板等での囲いを施さないで、運んでいるケースもありました。また運転手も事故発生の確率が低ければ、養生に手を抜く事は、当然だと考える節も見受けられます。      しかし、しばしばネットで横転した長距離トラックと、飛散した荷物の写真を目にしました。

少し横道に逸れましたが、これだけ大きい古木の作品は非常に迫力がありますので、経済的な豊かさの象徴として建物のオーナーがアピールするには、打って付けのモニュメントかも知れません。

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