桂林市の幹部

私は仕事柄、役人との接触は殆どありませんでした。
ただ私の仲間には、大学で建築を教えている人もおり、この人は大学予算や公的行事の面で桂林市の上級役人との付き合いもあり、断片的ながら、市長や副市長の事について、話して呉れました。

日本で市長或いは県知事の下に、副市長や副知事の職を置くとしたら、精々1人か2人ですが、桂林の場合は副市長を5人も6人も置きます。

注)中国の市と県は日本とは真逆で、大きな面積を占める市は、幾つかの県や区に分割されて統治されています。       この為市長の権限は、非常に大きくなります。

そしてその大半が、実務上の建設部長等の部長職と兼務となっている様です。
何故そのようにするかと言えば、市長は、副市長と言う名誉職だけの職責を与えずに、実務上の長を司(つかさど)らせることで、市長との差が歴然としていることを自覚させる、言い換えると市長が如何に偉いかを自覚させるためと、それに 各副市長を競わせて、沢山の貢物を得るためだそうです。

即ち実務の処理能力に加え、現市長にどれ位気に入られるかが、次の市長となるための必須条件の様です。

ただしブログの何処かでも書きましたが、時の中央政府内の新旧権力争いに巻き込まれ、昇進等を餌に北京に呼び出された際、過去においても桂林市長が拘束され死刑となったケース[逆に中央から市長逮捕の為出向いた役人が、市長配下の警察等に逮捕・監禁或いは暗殺されることもあるとのこと。]もあり、とても一筋縄では行かない世界の様です。

九州の3/4程度の面積を統括する桂林の市長、副市長達は、自前の牧場や農場を持ち、牛、豚から米、野菜に至る迄、全て食料を自給自足しているとの話でした。           ということは、桂林の市長や副市長が特別という事ではなく、中国では、少なくとも市長や副市長以上のポストにある役人や人民解放軍の幹部は、同じように自前の牧場や農場を持っている事が推測されます。   (日本の皇室の御用牧場や専用農場と同じです。)

ここで働くのは農民ですが、賃金は地方政府の必要経費として、全て徴収した税金から支払われます。
特に中国では、過剰投与による農薬汚染に加え成長ホルモン剤の投与等、何が入っているか分からない食材が沢山、生産・販売がされ出回っています。
この様な中で、自分達だけの食の安全を確保するため、市のトップは農民を使い、特別に安全な農産物や特別に安全な家畜類を育てて、食しているとの話でした。
(ですから市政府のトップとしては、市における食の安全性について余り関心が無い訳です。)
規模が小さいとはいえ市長は、警察権力も所掌していることから、言わば1国一城の主(あるじ)と、考えても良いのかもしれません。

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