突然の苦しみ

2009年の4月末に桂林に来てから、2ヶ月位経った7月中旬のことでした。

真夜中に突然目が覚め、トイレに行こうとベッドから立ち上がった途端、目が廻り始め、立っておれなく床に伏せてしまいました。すると同時に、吐き気と下痢の両方に襲われ、一人這ってトイレまで行きました。

フラフラで何回もトイレとベッドを往復する中、酒で酔った症状に似ているものの、余りの苦しさにこのまま死んでしまうのでは無いかという、恐怖に襲われました。                          深夜なので、電話で会社の部長を呼び出す訳にも行きません。

苦しさの為ベッドで一睡もせず朝を迎えましたが、朝8時過ぎに、部長を呼び出し、直ぐに車で病院に連れて行って貰いました。

行った病院は、桂林医科大学の付属病院でした。                                                           朝9時ぐらいでしたが、最初の待合室には、沢山の患者さんで溢れていました。これだと診察してもらうのが、何時になるか分かりません。

部長が、『九十九さん、ちょっと待っていて下さい。』と言い、その部屋を出て、間もなく直ぐに戻って来ました。『九十九さん、もう一つ待合室があるから、そちらに行きましょう。』

ついていくと、そこは私達を含め2組だけで、直ぐに診察をして貰うことになりました。

なんとこちらは診察料が、高い先生の方でした。先生は、若い女医さんでしたが、聴診器は身に着けていません。

大きな机の片端に、丸いゴムから腕に播いた布に空気で圧力を入れ、脈の上下を測る昔のタイプの血圧計が置いてあるだけでした。私もこの血圧計で血圧を測りましたが、血圧について何も触れません。

私は、昨夜からの私の病状について説明しました。

先生からの診断結果として、直ぐさま、『あなたは、首の頸椎の箇所に隙間が出来ていて、これが神経を圧迫して、その結果吐き気を催している。』

『これを治すために、①薬を貰う。②注射をする。③CTを受ける。この中から、あなたの希望するものを選択してください。』と言われ、唖然としてしまいました。

私は、こんな医者なら危ない。

②なら、何を注射されるか分からない。③は、本来は治療ではなく、検査に使うもの。お金もぼられそう。と考え、取り敢えず①を選択し、マンションに戻ると直ぐに薬をゴミ箱に捨ててしまいました。しかし、吐き気と下痢は翌日も依然として続いています。

私は電話カードを使い、マンションから国際電話を掛け、日本で医者をしている友達に電話しました。(日本では後払いが可能な為、国際電話を固定電話や携帯電話で掛けることが出来ますが、中国では前払いが原則のため、通常出来ません。大手の会社など、特別に電話会社と契約すれば、ひょっとすると可能かも知れません。そこで私は、事前に国際電話が出来るカードを購入し、マンションに置いていました。)

症状を説明し彼の意見を求めましたが、彼は、『直接診察していないので、断定的なことは言えないが、食中毒の感じがする。前日、何か普通とは違った物を食べなかったかい?』、 『もう2~3日寝て治らなかったら、日本に戻り精密検査を受けたほうがいい。』と助言して呉れました。

電話で話している間に、昨日の夜の事を思い出しました。

昨日は、給料が入ったものですから、今晩は少し良い食事をしようと、三里店の大通り沿いの20段程度の階段を昇り、格式がありそうな大きな店に入って一人食事をしました。

値段は忘れましたが、ステーキとビールを注文しました。

その晩は、店に入った直後から、雨が突然降りだし雨脚が聞こえる程の本降りになったため、食事後にタクシーでマンションに戻ろうにも、車が拾えなく、寒い中、1時間近く大通りの雨宿りできるところでタクシーを待ち続けたことも、体調を悪くした一因かも知れません。

店で食事をしたその時は、全く何も感じませんでしたが、この時のステーキが原因で食中毒になったと理解しました。それにしても、今まで日本でも経験したことが食中毒の苦しみでした。

日本の友人が言う通り、更に2日ほど寝てたら、吐き気も下痢も収まり、ホッとしました。

大学病院と言っても、中国では漢方薬中心の中医が主流をなし、一定の西洋医学のレベルに達しているのは、上海、北京などの一部の医科大学に限られると思われます。

仮に地方の大学で、西洋医学の講座を設けていたとしても、教授の確保も難しく、一般的に治療のレベルも、まだまだ低いものと思われます。                    ですから、上海や北京の大病院で診察を受ける可能性がなければ、急ぎ日本に帰国して診て貰うのが、ベストの選択と考えます。

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