五百羅漢

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■五百羅漢

私が経営していた精進料理店『静慮荘』は2階ですが、お寺『仏国仙境』の1階の建物の真ん中に位置する入場口で入場料を支払い、裏山の洞窟の中に入ります。五百羅漢は、この中にあります。

写真では黄金色に塗られていますが、私が最初に見た時は、石の地肌が出てて一部ひび割れもあり、年代を感じさせる石仏群でした。

ある日この寺の僧侶に占って貰い、その結果僧侶の導きに従ったらビジネスで大成功した拝観者がいたそうです。

この拝観者が、お礼にと、多額の寄付をお寺にしたということです。

私には、余り良い趣味とは思えませんが、お寺の経営者はこの資金を基に、かなりの数の石像を金ぴかに塗り替えました。写真の通りです。

金ぴかに塗り替えるのは、金色(きんいろ)は金(かね)を呼ぶという、中国人の発想が原点になっているのかも知れません。

昔聞いたお寺のガイドさんからの説明では、五百羅漢像は全て仏陀の弟子たちの立像・座像で、誰でも、これらの石像のどれかに顔が似ているので、あなたもご自分で見つけて下さいと言われました。

五百羅漢と言うので、数えませんでしたが、本当に五百の石像があるのでしょう。

自分の顔に似ているものを捜すことは、なんとなく余り気乗りがしなく、付近を歩き回っていると、五百羅漢像の置かれた位置から離れて置かれていた確か三体程だったと思いますが、五百羅漢像の入口付近に置かれていることに気がつきました。

この立像は何ですかと質問しましたが、残念な事に、今は印象に残った一つだけしか、説明の内容を覚えていません。その坊さんの名前も忘れました。

この坊さんは、どういう訳か仏陀が多くの弟子を集めて説法をする時、必ずと言って良い位、仏陀が話す前に仏陀が話したい事を、先走りして話したそうです。

この為仏陀も後追いとなることから、話すことが無くなり、次第に仏陀から疎まれて、この様に離れて置かれているとの説明でした。

ですから、この人達が五百人の弟子の中に入っているのかどうかは分かりません。

もしこれが本当なら、仏陀も器量が小さいと言わざるを得ませんが、事実関係を確認する手段もありませんし、多分に後の人達が遊び心を持って、考えたものかも知れません。

私は小学校の頃、悪戯(いたずら)が過ぎ、先生から怒られ職員室の前に立たされたことがありましたが、この像はそのことを思い出させました。

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