パキラ

今年の夏、病院の廊下で長椅子に座り、妻の診察の順番を待っていました。

横に2m位の細長い幹で、葉っぱが小枝から4~6枚付いている観葉植物が1本鉢植えで置いてありました。

他でも観葉植物として良く見かけるもので、幹が三つ編みになったものもあります。

私は、時間を持て余し気味だったことから、この木をよく観察しました。

すると、よく見かける小さな蟻が、長々と行列を作っていると言う訳ではなく、10~20匹ほど幹を登ったり、下りたりしています。中には葉っぱの上を動き回っているものもいます。

ただ蟻は餌探しの為、どんな植物でも、葉っぱや木の小枝・幹、花や実の付近で動き回っているのが普通に見られるため、特別なことではありませんが・・・・・。

木の葉っぱを4~6枚付けている小枝の根元からほんの数センチ下の所には、透明な小さい小さい水滴が何個も付いていました。その時は、これを吸っている蟻はいませんでした。

私は、この透明な樹液を人差し指で取り、親指と人差し指を擦り合わせて、粘り気の有無を確認しました。

ネバネバしていますが、セメダインのベタベタより滑らかで、メイプルシロップと同じ様に感じました。

何となく、口で甘みの有無を感じたくなりました。

ただ樹液の成分に毒がある可能性や、口の中での苦みや後味の悪さも想像しましたが、探求心が勝り口に入れました。すると、どうでしょう?

シロップと同様な甘みが、口の中に拡がりました。

驚きと同時に、誰も知らない新しい事実を発見したと、気持ちが非常に高揚しました。

この植物は、いったい何なのか?   名前を知りたいと思いました。

病院で妻の診察を終えると直ぐに、近くの園芸店に出向き、同じ植物を探しました。

よく見かける植物であったため、直ぐに名前が分かりました。『パキラ』と言う名前でした。

小さいものを選んだことも有り、1本380円でした。早速自宅に持ち帰り鉢植えにしました。

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甘みとなる砂糖の原料は、サトウキビ、甜菜、メープルだけだと思っていましたので、このパキラの樹液が甘みを持つことが本当に不思議に思えました。

ヤフーの知恵袋で調べてみると、『パキラは比較的寒さには耐えてくれる方ですが、それでも冬には成長が止まるか緩やかになります。そうした寒い時期には葉で光合成で作った糖をうまく運べなくなり、葉脈や若い枝が裂けてそれが吹き出すようになります。指につけて舐めてみてください。甘いことが実感できると思います。これは寒さでストレスを受けている時だけの現象で、温度が上がって成長が普通に行われる時には生じません。』と書かれていました。

そう言えば夏でしたので、病院の冷房が多少効き過ぎていた感じがありました。      だから、ストレスで樹液が表面に出て来たものだと納得出来ました。

それからいろいろ調べていく内に、糖質が多い植物は意外と多いと言うことを理解しましたが、採算が取れないため砂糖は限られた植物を原料としていることが分かりました。

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