【桂林だより】私が見た光景

皆さん、中々『桂林だより5』を送信出来ず、遅れてしまい申し訳ございません。

今回の話題は衝撃的な話です。是非読んで見て下さい。

また『桂林だより5』とは別ですが、中国の情報コントロールについて

書かれたものを見つけましたので、少し長くはなりますが、これも読んで

見て下さい。http://www.jiji.com/jc/v?p=foresight_3001&rel=y&g=phl

いずれも、現実の中国です。

私が出くわした場面や知人Bさんが出くわした場面について記憶を辿りつつ、

6場面に分けて書きたいと思います。

(場面1)

もう4~5年前(2005~2006年)のことですが、北京であちこちに泥濘(ぬかるみ)がある大きな道の脇に、子供の乞食が 穴のあいた様な汚い洗面器を前に置き、段ボールを敷き、下を向いて座っていました。 声は小さくよく聞き取れませんが、物乞いをしていました。

日本で言うと、小学生の低学年と言うところでしょう。

その子供は、肩から僅かに手が出ているだけですが、肘から下はありません。

足の部分も、膝のもう少し上の部分から下がありません。

私は、その子供の顔を覗き込んだところ、顔は垢まみれで黒茶色でしたが、唯一目の下に涙が流れたあとを示すように、何百回,何千回も流したと思われる跡がはっきり残っていました。

私が、声を掛けたところ、涙を流しうなづくだけでした。

私は、ヘレンケラーよりもっと不遇な子供がいることを目の前に見て、大変ショックを受けました。この子には、サリバン先生の様な人生に光を見出させる人は間違いなく、いません。

(場面2)

『漓江』と言う大きな川を下る場合、桂林から陽朔まで船に乗るのが標準的な船旅です。

私は、昨年このコースでは無く、桂林から陽朔行きのバスに乗りました。バスだと1時間20分~30分というところです。

陽朔のバスセンターには、夜7時頃着きましたが、バスを降りると、沢山の花売りの少年や   少女が目につきました。後から聞いたBさんの話では、1つ20~30元(260~390円)で     売っているとの事です。

私も桂林の有名ホテルのバス駐車場付近で、数回似た様な光景を見たことがあります。

私は、もちろん邪魔で不要なため、購入を拒否しましたが、本当に追い払っても追い払っても寄ってくるハエの様に、しつこく花束を買うことを勧められます。                                   中には、観光客の洋服を引っ張ったり、手にまとわりついたりして、必死に売ろうとしている子供たちもいます。

(場面3)

Bさんから、つい最近聞いた桂林での出来ごとです。

Bさんは、母親が必死で、自分の子供を探している場面に出会ったとの事です。

子供の名前を大声で呼んだり、行き交う人に子供の写真を見せて、訪ねていたそうです。

一緒だったBさんの友人の中国人の話では、もう2度と親子の再開は、無理とのことです。

時々、電柱や壁に子供の写真や身長・体重・特徴などを書いた張り紙があるが、これは全て、子供をさらわれた親の必死の努力の表れとのことです。

しかし、この努力が報われることはまずないとの話でした。

誘拐の対象となる子供は、乳離れをして歩き始める2歳から3歳の子供が多いとのことでした。

(場面4)

私の会社の経営者もそうですが、毎日保育園まで車で送り迎えをしています。       友達の家に行くにも、親が同伴します。

だから小さな公園が近くにあっても、子供だけで遊ぶことは少ない様です。

日本の様に集団登校などしていなく、自分の子供は親の自分が守るしか方法が無いようです。小学生も、親や親族が同伴するため、登校時と下校時は学校の正門は、非常に混んでいます。一人歩きは、小学校高学年からです。

(場面5)

陽朔(ヤンソー)から桂林(グイリン)に戻るバスの中での事件。

バスは、マイクロバスから大型バスまで、多種多様のバスが往復しています。

大型のバスは別として、余りに沢山のバスが行き来していることは、役所の認可も得ていないバス会社も多いと思われます。

私が陽朔で乗った大型バスは、中々出発しませんでした。

付近の小さなマイクロバスは、直ぐに出発しました。

そのためかどうか分かりませんが、1人の客と運転手との間で、口げんかが始まりました。

どうもお客が思うように乗ってこないため、出発を遅らせていた様です。

途中にバス停は無く、手を上げたらバスが止まる様です。それでも、大体降りたり、乗ったりする個所は決まっている様です。

夕方から夜になったにも関わらず、バスは照明を点灯しないため、真っ暗です。

これからは、Bさんの友人のAさんの実体験として、Bさんから又聞きした話です。

同じ様にAさんは、陽朔から桂林に夕方バスで向かうこととしたそうです。

陽朔を出発し、暫くするとバスが止まり、5~6人の男が集団で乗ってきたとの事でした。

そしてその集団は、30~40分バスに乗り、桂林に向かう途中の賑わいが何もない林ばかりの所で下りたそうです。

Aさんは、どうしてこの様なところで下りるのか不思議に思ったそうです。

そして、この集団がおりた後、多くのお客が財布をすられていることが分かり大騒ぎとなったそうです。                                                                                                            照明の無いバスの中で、スリが大挙して押し寄せ仕事を終え去って行ったようです。

日本と違い、こちらのスリは、カッターナイフを上手に使いポケット下部の服地を切って財布を抜き取る様です。                                                                                                また財布は危ないからと生の現金をズボンの後ろポケットに入れる人が多いのですが、これも分らない様にピンセットを使い抜き取る様です。

洋服をカッターで使い切り裂き、お金を盗む方法は、盗まれる人が全く分からない程と 言いますので、本当に職人肌の技術の様です。

結局Aさんの乗ったバスでは、Aさんを含め、お客の多くの人がすりの被害に遭った様です。

しばしば桂林と陽朔の間で、こんなことが行われている様なので、Aさんの話では、運転手もグルかも知れないと言っていました。                         またスリの人数も多いため、万一乗客がスリの現場を捕まえると、刃物沙汰となることも想像に難くありません。怖いものです。

(場面6)

桂林では、夜7時から深夜まで、何時も決まった大通りに横縦3m程の赤いテントが張られ、 何百もの夜店が開店します。

観光客は、値引き交渉を重ねて欲しいものを夜店で買いますが、当然のごとくスリも目立つそうです。

私には、どの人がスリか分りませんが、Bさんの知人の中国人は、ポケットやポシエットやバッグばかりを見ている人を目敏く見つけ、あの人はスリといいます。

ごく稀に、観光客がお金を取られざまに、スリを見つけて追いかけることがあるそうですが これは極めて危険との話です。

周囲にはスリの仲間もいる可能性が高く、刃物で切られる可能性もあります。

スリの被害に会った人が警察に出向き、犯人の特徴を警察官に示しますが、警察官は事の顛末やスリの特徴を、ニコニコしながら調書に書き込んで行きます。

その警察官は、説明されたスリの特徴でスリの人物を特定し、後日逮捕をちらつかせ、スリから上前を撥ねる行動をするだけです。

警察官は、お小遣いが入るため嬉しくてニコニコしている訳です。            だから、決して犯人が逮捕されることはありません。

また客が買い物に熱中する余り、油断してスラれる場面を夜店の主人や店員が目撃しても客に注意を促したり、スリ逮捕に協力することは絶対にありません。

仮にその様なことをした場合、店主は、警察、保健所等仕事を続けていく上で許可が必要な関係するいろんな所から圧力がかかり、結局出店を諦めざるを得ない環境に追い込まれるとの事です。

表の所管する役所も全て、裏組織と繋がっているのです。

日本では、誘拐犯は誘拐された子供の親から金銭を奪い取ることが目的なので、子供が殺されるか、身代金を渡すか、あるいは結果として犯人が逮捕され一件落着となります。

しかし中国では、誘拐の裏ビジネスが組織的に整備されているため、まず身代金目的の誘拐は無いとのことです。

以下は、BさんがBさんの知人のAさんから聞いた話をここに書きます。

誘拐された2~3歳の子供は、1週間から10日間は、何も手を下されないそうです。

もちろん誘拐した地は、見つかる危険性が大きいことから、誘拐犯は子供を連れて直ぐに遠地に移動する様です。

2~3歳の子供なら、乳離れもしていて、また歩くことも可能ですし、記憶力もなく、言葉もあまり喋れないこともある様です。

1週間から10日間の間は、もし誘拐した子供が、軍の関係者の子供や警察関係の子や党幹部の子供であることも皆無でないため、これらの権力者からの裏組織への問い合わせ時間を設けています。

しかし、これを過ぎると子供が選別され、数は少ないけど将来大きくなって器量の良くないと思われる女の子と運が悪かった男の子は、手足をもぎ取られ、乞食にされます。

子供の手足をもぎ取ることは、生死にも関わる話なので、その時は医者が立ち会い手術を施すとの事です。                                    そしてこれらの子供は、いくつかの闇のルートに乗って、何万元かの高い値段で売られていく様です。                                      恐らくこの人身売買には幾人もの人を経て、落ちつき先が決まるものと思われますが、万一の事態も想定し、北の子供は南に売られ、南の子供は北に売られるのでしょう。

手足をもぎ取られた子供は、大きな道の脇に座らされ、通行人からお金を恵んで貰う生活に入ります。                                      その日の収入が少ないと、親方から殴られたり足蹴にされたり、食事抜きの罰を受けることとなりますが、両手・両足がないため、ただ単に耐え忍ぶしかない様です。

手足が切られなかった幸運な男の子や女の子は、場面2の様に花売りとなります。

しかし売上が無いと、同様に親方から殴られたり足蹴にされたり、食事抜きの罰を受けることとなります。だから花売りとして、客にしがみ付くほど頑張ります。

その他知る由もありませんが、親方の指示の下、生きていくため、いろんな悪事にも手を染めるのではないかと思われます。

誘拐された子供は、当然父親も母親も分りませんし、戸籍も分りませんので、学校へも行くことが出来ませんし、正業への就職もままなりません。

そうすると、おのずとスリや強盗や暴力団の構成員などの道しかありません。

場面5の様な集団すりも、誘拐された男の子たちが行きつく先かも知れません。

女の子たちは、花売り時代が過ぎたら、水商売の道に入り、やがて売春婦の道を歩む様になるそうです。本当に悲惨の一言に尽きます。

BさんがAさんに質問しました。

警察が乞食を見張っていたら、親分やその子分は捕まえることが出来るはずだ。

だからこの親分を自白させれば、芋弦式に誘拐犯が捕まるだろうにと言ったそうです。

Aさんは、この様に答えました。日本でも昔(明治~戦前の昭和)から『人さらい』がいた時代はある。しかし日本の場合、救われたのは警察が人さらいと仲間ではなく、飽くまで犯罪として追いかけまわしていたということです。

今の日本では、とてもあり得ないことではありますが・・・・・・。

中国の場合、どうもここが根本的に違っている。

警察も組織的に、乞食の親分やスリの親部分等から、(逮捕しない代わりに)上前をはねてお金を得ていることが、誘拐や犯罪を助長している面があります。

年に何回かは、誘拐犯が死刑になったことが新聞にのることがあるが、これは運悪く誘拐犯が多くの人の眼に触れてしまったケースか、警察のピンハネに非協力的だったものが餌食になるとのことです。

警察としても表面的には、『警察は、何もしてくれない。』と市民からの非難を極力避けたいことと、裏組織の親分たちに対する見せしめの意味から、警察に従わない裏組織の親分等に絞り込み逮捕・死刑に持ち込む様です。

だから誘拐犯が捕まるのは、ほんの氷山の一角に過ぎません。

また会社の中国人の仲間から聞いた話ですが、3歳から5歳の保育園に通う児童が、しばしば年寄りの老人に連れ去られることが多いとのことです。

親が保育園に迎えに来れないためと言って、親族を装い爺さん、ばあさんが誘拐することも あるそうです。

この場合は、先に子供が欲しい夫婦を見つけるなどお客を決めた後、誘拐するそうで、報酬は数万元とのことです。                                要は、日々の生活に困っている人が多いことから、チャンスがあれば何時誘拐犯になるか分からない、そんな予備群が周囲に大勢いるということです。

2018年7月21日、次の様な痛ましくひど過ぎる記事も目にしました。ヤクザ絡みでは無かったので、主人が軍の将校であっても、子供を探し出すことが出来ませんでした。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180720-45044133-business-int

中国では、共産党の指導の下、本来平等であるはずの人々が、いつの間にか、農民が最下層となり、その上に一般市民がいて、鄧小平の解放政策後、私の周りでも、富裕層は新規ビジネスに次から次に手をつけ、雪だるま式に富を増やしています。               富裕層は、経済力を基盤に、警察や役人との結びつきをますます強固にしている様です。  また犯罪の温床となる裏組織は警察のコントロールの下に置かれ、この警察の上に軍がいるという具合に力関係が構成されているそうです。

裏組織は、警察への上納金組織として重宝がられ、また殺人など汚い仕事は裏組織に警察幹部が依頼することなどから、警察から裏組織が壊滅されることは、決してありません。

これも中国人の友人から聞いた話ですが、一番上のランクにある軍関係者の乗用車が、仮に大通りの真ん中に車を停車させても、警察は一言も文句は言えない程の力があると言っています。

私用の乗用車でも、軍関係者は車のプレートナンバーの記号で一目了然との事です。

また警察のパトカーを良く見かけますが、桂林では自分の子供をパトカーに乗せていたり、家族で買い物を急ぐためサイレンを鳴らすなど、公私混同も実にひどいものです。      私服でパトカーを運転しているケースもあります。

以上の6場面を思い起こす度に、私は本当に日本人に生まれて良かったと思います。    皆さんはどうでしょうか ?

2018年8月7日ネットで、同じ様な記事を目にしました。幼児誘拐が年間20万人も発生しているとは驚きです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180807-00010001-nishinpc-int&p=1

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